「岩盤工学の新しい展開を目指して-地下空間利用の可能性を探る」 世界的な経済の停滞によって大規模開発の意欲は沈滞し、岩盤工学における技術開発の歩みは遅々として進まないように見える。そうした環境の中で発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所での重大事故を経験した岩盤工学研究者・技術者は、今、何を考えなければならないのだろうか? もう一度真摯に岩盤を見つめ直し、ジオフロント開発と地下空間利用の可能性を探ることではなかろうか。国際岩の力学会(ISRM)では、櫻井春輔神戸大学名誉教授とフランスのDr. Pierre Duffaut氏が中心となって地下空間利用の重要性に鑑みCommission on Underground Nuclear Power Plantを立ち上げ、実質的な検討が進められている。このCommissionのこれまでの成果を交えながら地下空間開発・利用の可能性について大いに語っていただく。
14:00~15:00 講師:櫻井春輔氏 岩盤工学から見た地下空間利用の現状・展望とISRM Commission on Underground NPPの活動の意義 大都市における土地の有効利用のために各種インフラの地下化が活発化している。また、地下空間を有害物の封じ込めを可能にする空間として利用することも種々検討されている。その一つである放射性廃棄物の地層処理などは社会的に大きな関心事である。また、福島における原発事故の後、原発の地下立地の研究が加速化している。昨年、ISRM Commission on Underground NPPが設立され国際的な場で地下原発に関する調査・研究が開始された。本講演会ではその背景並びに目的等について報告する。 15:00~15:15 休憩 15:15~17:00 講師:Pierre Duffaut氏(Coordinator Manuel de Mecanique des Roches) The underground option is the unique hope for safe nuclear power ・・・ 英語講演 (地下空間の選択は安全な原子力利用に対する唯一の希望である) 初期の原発のいくつかは、ロシアのシベリアやフランスにおいて地下に建設され成功裏に運転された。そして、日本を含む多くの国では地下原発に対する研究が数多く実施された。チェルノブイル、及びスリーマイル島の原発事故の後、原発の地下立地の選択を要求する声は大きくなった。しかし、それは長続きしなかった。本講演会では、原発が従わなければならない主要な要求について述べると共に、フランスや世界各国の例をもとに最も重要な地形的及び地質的な規準についてコメントする。 17:00~17:30 総括ならびに質疑応答 講演者 櫻井春輔氏 ・ Pierre Duffaut氏
e-mail: funato@fgi.or.jp 〒113-0021 東京都文京区本駒込2-13-12 TEL:03-3944-8010 FAX:03-3944-5404 (都営三田線千石駅A1出口→ファミリーマートを左折 徒歩5分)
|